目指せ!WSFC構築 第三章 ~Windows Serverでの共有ストレージ構築~

【今回の内容】

前回は、Active Directoryの構築を行い、同じドメインに参加したサーバーの、ユーザーやコンピューターリソースを管理することが出来るようになりました。

今回は、WSFCで使用する共有ストレージ(下図では「NAS」と表記)を用意したいと思います。

その共有ストレージはWindows Serverのファイルサーバー機能に備わっているiSCSIプロトコルによって構築します。※大半は大容量のストレージ専用機器(NASやSAN)を用いるケースが多いのですが、今回は検証のため、低容量ストレージの仮想サーバーに共有ストレージの代役をさせています。

(今回は仮想マシンなので実感湧きにくいですが、実機をご想像ください。iSCSIプロトコルによって、サーバー同士はIPネットワークで共有ストレージに接続出来るようになり、面倒な専用ケーブルでの接続をしなくて良くなります。iSCSIプロトコルによる共有ストレージは、番号を振った仮想ディスク(LUN)を、他のサーバーにレンタルする…といったイメージです)

iSCSI: Internet Small Computer System Interface

NAS: Network Attached Storage

SAN: Storage Area Network

LUN: Logical Unit Number

【前提事項】

以下のWindows server2019を構築し、ADのドメインに参加していること。

・iscsiターゲット用 1台(共有ストレージ用サーバー)※今回はWindows Serverで構築しているためドメイン参加していますが、ドメイン参加しなくともiSCSI接続は可能です。

・iscsiイニシエーター用 2台(WSFC1号機、WSFC2号機)

1. Windows Serverでの共有ストレージ構築

1-1. 【全サーバー共通】RDP(リモートデスクトップ)接続

※各サーバーのコンソール画面を開いて、IQNをコピー&ペースト出来るようにします。

(1)<1>[スタートメニュー]を右クリックします。 → <2>[ファイル名を指定して実行]をクリックします。

(2)<1>[mstsc]と入力します。 → <2>[OK]をクリックします。

(3)<1>[コンピューター名]をIPアドレスで入力します。 → <2>[接続]をクリックします。

(4)[その他]をクリックします。

(5)<1>[別のアカウントを使用する]をクリックします。

(6)<1>[ユーザー名]を入力します。 → <2>[パスワード]を入力します。 →<3>[OK]をクリックします。

(7)[はい]をクリックします。

(8)<1>アイコンを右クリックします。 → <2>[リモートデスクトップ接続]をクリックします。

(9)他のサーバーも同様に(3)~(7)の手順で接続します。

これでリモートデスクトップ接続は完了です。

1-2-1. 【共有ストレージ用サーバー】iSCSIターゲット設定

(1)共有ストレージ用サーバーのサーバーマネージャーを開きます。 → [役割と機能の追加]をクリックします。

(2)[次へ]をクリックします。

(3)<1> デフォルトのままです。 → <2>[次へ]をクリックします。

(4)<1>デフォルトのままです。 → <2>[次へ]をクリックします。

(5)<1>[ファイルサービスと記憶域サービス(1/12個をインストール済み)]を展開します。 → [ファイルサービスおよびiSCSIサービス]を展開します。 → <2>[iSCSIターゲットサーバー]にチェックを入れます。

(6)[機能の追加]をクリックします。

(7)<1>[iSCSIターゲット記憶域プロバイダー(VDSおよびVSSハードウェアプロバイダー)]にチェックを入れます。 → <2>[次へ]をクリックします。

(8)[次へ]をクリックします。

(9)[必要に応じて対象サーバーを自動的に再起動する]にチェックを入れます。

※今回は検証のため、自動で再起動するようにしました。状況に応じてチェックを入れてください。

(10)[はい]をクリックします。

(11)[インストール]をクリックします。

(12)[閉じる]をクリックします。

1-2-2.【共有ストレージ用サーバー】仮想ディスク作成

(1)共有ストレージ用サーバーのサーバーマネージャーを開きます。 → [ファイルサービスと記憶域サービス]をクリックします。

(2)<1>[iSCSI]をクリックします。 → <2>[タスク]をクリックします。 → <3>[新しいiSCSI仮想ディスク…]をクリックします。

(3)[次へ]をクリックします。

※今回は記憶域として、ボリュームCを使用します。

(4)<1>[名前]を入力します。 → <2>[次へ]をクリックします。

※今回は、WSFCのQuorum用とするため、この名前にしました。

(5)<1>[サイズ]を入力します。 → <2>デフォルトのままです。 → <3>[次へ]をクリックします。

※今回は、WSFCのQuorum用とするため、1GBとしました。

(6)<1>デフォルトのままです。 → <2>[次へ]をクリックします。

(7)<1>[名前]を入力します。 → <2>[次へ]をクリックします。

※今回はWSFCの1号機と2号機を、イニシエーターとして指定するのでこの名前にしました。

(8)[追加]をクリックします。

以下の画面が出てきます。

(9)WSFC用サーバーのサーバーマネージャーを開きます。 → <1>[ツール]をクリックします。 → <2>[iSCSIイニシエーター]をクリックします。

(10)<1>[構成]のタブをクリックします。 → <2>[イニシエーター名]をコピーします。

(11)共有ストレージ用サーバーの画面に切り替えます。

(12)<1>[選択した種類の値の入力]を選択します。 → <2>[IQN]を選択します。 → <3>先ほどコピーしたWSFC用サーバーのIQNを貼り付けます。 → <4>[OK]をクリックします。

 

(13)同様にもう一台のWSFC用サーバーも(8)~(12)の手順で追加します。

(14)2台のWSFC用サーバーを指定したら、[次へ]をクリックします。

(15)[次へ]をクリックします。

※今回は検証のため、認証の設定はしません。

(16)[作成]をクリックします。

(17)[閉じる]をクリックします。

(18)<1>[タスク]をクリックします。 → <2>[新しいiSCSI仮想ディスク…]をクリックします。

※Quorum用と同様に、アプリケーションデータ用のiSCSI仮想ディスクも作成します。

(19)[次へ]をクリックします。

(20)<1>[名前]を入力します。 → <2>[次へ]をクリックします。

※今回は、保護対象のアプリケーションデータがファイル共有であるため、この名前にしました。

(21)<1>[サイズ]を入力します。 → <2>デフォルトのままです。 → <3>[次へ]をクリックします。

(21)<1>[既存のiSCSIターゲット]を選択します。 → <2>先ほど設定した[ターゲット名]を選択します。 → <3>[次へ]をクリックします。

(22)[作成]をクリックします。

(23)[閉じる]をクリックします。

(24)2つの仮想ディスクが作成されました。

1-3-1.【WSFC1号機、2号機】 iSCSIサービスの開始設定

(1)WSFC用サーバーのサーバーマネージャーを開きます。 → <1>[ツール]をクリックします。 → <2>[iSCSIイニシエーター]をクリックします。

(2)[はい]をクリックします。

(3)もう一台のWSFC用サーバーも同様に(1)(2)の手順で設定します。

1-3-2. 【WSFC1号機、2号機】イニシエーター側ターゲット設定

(1)WSFC用サーバーのサーバーマネージャーを開きます。 → <1>[ツール]をクリックします。 → <2>[iSCSIイニシエーター]をクリックします。

(2)<1>共有ストレージ用サーバーの[IPアドレス]または[DNS]を入力します。 → <2>[クイック接続]をクリックします。

(3)<1>先ほど作成した[ターゲット名]を選択します。 → <2>[完了]をクリックします。

(4)[OK]をクリックします。

もう一台のWSFC用サーバーも同様に(1)~(4)の手順で設定を行います。

これで、Windows Serverでの共有ストレージの構築は完了です!

2. LUNストレージ(仮想ディスク)の設定

2-1. 【WSFC1号機、2号機】ボリュームの初期化・設定

※WSFC用サーバーのどちらか一方のみで設定します。

(1)<1>[スタートメニュー]を右クリックします。 → <2>[ディスクの管理]をクリックします。

※まずはQuorum用のiSCSI仮想ディスクの設定を行います。

(2)<1>[ディスク]を右クリックします。 → <2>[オンライン]をクリックします。

(3)<1>[ディスク]を右クリックします。 → <2>[ディスクの初期化]をクリックします。

(4)<1>デフォルトのままです。 → <2>[OK]をクリックします。

(5)<1>[未割り当て]を右クリックします。 → <2>[新しいシンプルボリューム]をクリックします。

(6)[次へ]をクリックします。

(7)<1>デフォルトのままです。 → <2>[次へ]をクリックします。

(8)<1>デフォルトのままです。 → <2>[ドライブ文字]を選択します。 → <3>[次へ]をクリックします。

(9)<1>デフォルトのままです。 → <2>[ボリュームラベル]を入力します。 → <3>[次へ]をクリックします。

(10)[完了]をクリックします。

(11)WSFCで保護するアプリケーションデータのiSCSI仮想ディスクとして、同様に(2)~(10)の手順で[ディスク2]を設定します。

これで仮想ディスク(LUN)の設定は完了です!

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